YEC TOURING REPORT vol3

2016年4月4日

9月7日(日)雨のち晴れ

2日目

今朝も習慣で5時には目が覚めてしまった。ここは丁度24時から5時までは入浴ができないので5時を過ぎたのを確認して朝風呂に向かった。誰も入浴しに来る客がいないので50分近く露天風呂と内湯を往復して最近痛みを感じてなかなか治らない左足の甲とふくらはぎの湯治をしてみた。血行が良くないのは事実なので一時間程度の湯あみで治るわけがないのは分かっていたが、それより起きてからずっと降り止まない雨が気になってしょうがなかった。このままでは磐越道から直行で帰宅するしかないかもしれないと覚悟した。

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その後雨は小降りになり、朝食を頂く頃には空も明るくなり、地元では運動会が開催されると連絡の放送が響き渡った。恒例となった宿の女将を囲んで集合写真を撮影後見送られて出発することにした。走り出して二番目の赤い橋は柳津橋を渡ったところにあるGSは同じグループ運営なので、かわちさんに宿泊した者だと伝えるとグループ会員扱いになり、ℓ/5円引きしてくれるのでありがたい。いつもかわちに泊まるときはタンクを敢えて空になるよう計画してくる。またそれも女将からも前日に連絡をしてくれているそうだ。

ハイオクで燃費の悪い外車にはとてもありがたく、気分よく走り出すと天気も曇りではあるが、何とか予報では回復するらしいので福島市飯坂町で行われているバイクのイベントに寄ってみることになった。会津坂下から高速に乗ってしまえば話は早いが、一度郡山まで出てから遠回りをするので敢えて一般道で国道49号線から国道115号線で土湯温泉経由にした。時間的には高速と遜色ないが、せめて筆者の準地元でもある会津若松市街を抜けて少しでも帰省したようなノスタルジーな気分を味わいと思った。ツーリングで来た場合は近くまで来ていても時間的な余裕がないので親戚に挨拶もできずに素通りしてしまうことになり、正直言って毎回後ろ髪を引かれる思いになる。

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国道49号線は昔から地元ではバイパスと呼ばれていたが、磐越道が完成してから交通量は当然減少した。小石ヶ浜からは猪苗代湖に右に見て走るが、左側の沿線には蕎麦の白い花が咲いていて新蕎麦の時期に会津の蕎麦を食べに来ようと思った。今年は11月中旬にも福島行きを予定しているので楽しみだ。

天神浜手前で国道115号線に左折して磐越道猪苗代磐梯高原ICを過ぎると道も細くなり、 民家や交通量も少なくなる。徐々に峠に入って行くので9月初旬と言うのに気温も下がっていくが、天気はむしろ晴天になってきた。高森を過ぎた辺りに道端で展開している野菜の直売店はここを通るたびに立ち寄っているので休憩を兼ねて寄ってみた。数店舗あるのだが、いつもより営業している数が少ないので毎回決まって立ち寄る一番トイレ側の端にある店の親父に聞いてみたら今年は野菜のできが遅くて品数が揃わなくて時期がまだ早いそうだ。

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確かに毎年ここに来るのは10月下旬から11月上旬の秋のきのこ類が旬の頃だった。ぎっちりと白菜や大根等の高原野菜が並び、車を駐車する出入りが危険なので警備員がいたが、今日は車も少ないし、これでは警備員も必要ない。ここも11月にまた寄るので期待して楽しみにしておこう。本来はこの店のきのこ汁は絶品なのだが、今回は時間的余裕もないので味噌おにぎりを一個だけ購入したのだが、これも微妙な塩加減で絶品である。

筆者はいつも福島方面から猪苗代に向かう際に利用しているので国道115号線を逆に走るのは今回が初めてかもしれない。土湯トンネルが完成して飛躍的に会津と福島市が近くなった。そんな中で吾妻小富士見ながら土温温泉側に下るのは長く緩やかなワインディングが続き、とても爽快に走れる良い道路であることが分かった。

土湯温泉街の入り口を過ぎて平野部に下りてしばらくすると東北道福島西ICの手前で県道5号線に左折して飯坂方面に向かった。国道13号線まで続くこの沿線には福島の果樹園が多くあり、別名フルーツラインと呼ばれ秋の女子駅伝のコースにもなる。この先にある 福島スカイパークで今日はバイクイベントがあるので立ち寄ったが、結構人出はあったが、少々スケールも内容も小さい感じで早々と退却することにした。所詮地元の無料イベントなのでご当地アイドルなどで期待はしていなかったが、関東から来ているような方は余り居なかったような気がした。やはり土曜日や休日前日でないと福島から帰宅する時間を考慮すると昼過ぎまでが限界ではないだろうか。

dsc_0132.JPGここからは国道13号線に出て福島飯坂ICから東北道に入り帰宅することにした。途中の安達太良SAで昼食を取り、関東方面も天気も良好であることを確認し、次の那須高原SAで休憩と給油をした後は他のメンバーは佐野で休憩したいとのことだったので流れ解散にして筆者はノンストップで岩槻ICまで走った。いつものように元荒川沿いの気の休まる県道325号線を北越谷に抜けて、途中のセブンイレブンで休憩をするお決まりのパターンで 国道4号線から草加で最後の給油をして17時過ぎに帰宅した。

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走行距離 410 KM

<後記>

今回4半世紀振りに国道252号線を小出から会津坂下まで走行した。起点は新潟県の柏崎とのことで終点の会津若松までは会津坂下で国道49号線と重複部分を含めて206KMあるそうで随分長い国道である。海のない会津から日本海の柏崎に直接続いている道には筆者はロマンを感じる。また会津坂下から只見町までの部分は沼田街道と称されているが、最近まで群馬の沼田まで続いてきたからそう呼ばれていたことを筆者は知らなかった。

ネットで調べていくうちに只見町から国道289号線を経由して国道352号線で檜枝岐に 出てそこからは尾瀬沼を抜ける街道が江戸時代は盛んに交易されていたとは現代では尾瀬沼は自然保護の観点から車両は進入できないが、戊辰戦争の頃に新政府軍の会津への進入路となって攻防戦の舞台になっていたことを知る人は今では少ないし、尾瀬沼を超えて往来することは容易ではないので、なおさらロマンを感じる。

東日本大震災以来復興を祈願して筆者らも微力ながら会津地方の復興と風評被害を払拭するのに賛同してイベントに参加することをきっかけに4年連続柳津に足を運ぶようになったが、会津全体は広範囲だしまだまだ足りない部分は多いと思う。近年幾つか国号252号線沿線にも道の駅ができて地元の活性化やイメージアップにも貢献すると思うし、とても良いことである。

一昔前までは会津金山地方と言えば、山に囲まれた僻地で近年高齢化と過疎化が進み、冬は雪に閉ざされた暗いイメージしかなかった。若松市内のタクシー運転手からもできれば行きたくない場所と聞いたことがあった。それが柳津に来るようになっていろいろな場所におじゃまして足を運ぶようになってからそのイメージはまったく違うものであることが分かった。郷土の伝統と恵みを大切にして力強く生きている姿がある。そういう素朴な中にも逞しい人々に接して同胞の筆者も頼もしく感じられた。

会津藩時代からの子弟教育に什の掟という7か条から成る教えがあり、その中で“ならぬことはならぬものです“の戒は筆者も幼いころ親戚からそのフレーズや意味を聞かされたことがある。してはいけないことは理由が何であれしていけないという教えなのだが、その中には正しい判断力と我慢をする忍耐力も養うことが含まれている。その言葉は筆者が社会人になって幾度となく直面してきた場面に当てはまった。黙っていればよいところをつい正論を発言してしまい、自身が不利になったことや、周囲に迷惑を掛けてしまうこともあった。実直故に損をしてしまう気質はまさに父親から受け継いだような気がするが、忍耐力が足りない面ではまだまた未熟者だと思い知らされる戒めである。

以上

担当:齋藤

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