YEC TOURING REPORT 秋田、山形編 1日目
日時 : 2013年8月16日(金)、17日(土)、18日(日)
目的地: 秋田県乳頭温泉郷(大釜温泉)、山形県黒沢温泉(みかど旅館) 二泊三日ツーリング
参加者: 杉本、山中、齋藤、西村、春日、吉野
集合場所: 東北自動車道 蓮田SA 4:00
全走行距離:1,368KM
1日目
8月16日(晴天)
例年のことであるが、お盆の時期の二泊三日のツーリングでは高速料金を抑制するために木曜日(平日)深夜割引を活用して半額にする努力をしているが、高速道本線ICにAM4:00までに入線しなければならないので、翌日以降の申し送りをせずに帰る勇気もなく、帰宅時間もそれなりの時間になり、早目に寝てAM2:00に起きることは容易ではない。
前日までに旅支度はしていたものの、今年も結局眠れないままAM3:00に自宅を出発した。
草加在住の筆者は足立のショップ前には行かず、バイクガレージから直行することになったが、外環道下の国道298号線から川口JCT下経由で国道122号線でも夜間なら約20分程度なので一般道だけで東北道の浦和ICにAM3:30過ぎに入線した。蓮田SAに到着するとショップ前出発組は先着していて今年も無事に全員ETCの平日深夜半額割引の恩恵を受けることができた。あくまでこのメリット活用に関しては自己責任制にしているが、特に初日は移動距離のほとんどが高速道に頼らざるを得ないのでこの割引制度の費用対効果は大きい。また未だ日が昇らない涼しいうちに移動距離を稼げるのも目的地に早く到着できるだけでなく、疲労をなるべく少なくして余裕を持った行動ができる効果もある。
筆者個人的には1999年から14年間ともに過ごした相棒CBR900RRを5月のツーリング途中での衝突事故(右鎖骨骨折)を契機に別れを告げることになった。見栄えするトリコロールのカラーリングと逆輸入車の持つフルパワーで速いだけでなく、特に大きな故障もせずに頑張り続け、キャブレター車としても素直で何も手を加えることがなく、安定感のある名車であった。特にロングツーリングでもお尻が痛くならない構造のHONDA特有の薄型シートは絶品で筆者にとって心強いものがあった。そのひとつ前の相棒VFR400RRの血を継承したシートのおかげでいつのツーリングにおいても快適に過ごすことができた。
そんな相性の良いHONDAの名車をできれば筆者が長く所有してワンオーナーで終わらせてあげたかったが、諸般の事情により現在大型バイクを2台以上所有することは保管場所の絶対数の少なさという物理的な理由と新規で任意保険の加入が必要になることは現在の筆者には経済的な圧迫を招く要因になるため、やむなく手放すことになったが、セカンドオーナーの下でも長く愛されて欲しいと思う。
今回からの相棒となったのはBMW S1000RRのプレミアムライン(ホワイトが基調の控え目のトリコロールカラー)で7月の納車から今回が初めてのツーリングと高速走行である。 高性能であることは周知の通りであるが、2011年のモーターショーのBMWブースで実車に跨った時にSタイプのかなり小柄な車体と前傾ポジションに何の違和感がなかったので、次回購入することがあれば有力候補に挙げていた。16歳から125CCのバイクに乗り始めて36年間に渡り、国産4メーカーすべてにお世話になったが、筆者も齢50を過ぎてここ数年、一度は外国車に乗ってみたいという衝動に駆られていた。そんな背景で多少の犠牲は付き物であるが、ここを逃すと一生縁のないように思えて、思い切って購入することにした。
定刻より前に蓮田ICを出発するとメッシュのクールジャケットでは肌寒いくらいの体感で筆者にとってはとても走り易かったが、メンバーの中には寒いと訴えている者もいたが、一度日が昇ってしまえばそんなことは嘘のような暑さになるだろうから、未だ涼しいうちに上河内SAまで進み最初の休憩をした。この辺で夜も明けて視界もやっと良好になったが、100KM先のSAでは給油をしなければならないので目的地を那須高原SAとして先を急いだ。
那須高原SAで納車後最初の給油をしたが、未だ高速道はもちろん一般道での燃費も把握しておらず、S1000RRにはリザーブ機能があるのは認識していたが、ガソリンタンクの周辺にリザーブコックが見当たらず、納車時の説明を受け忘れていたのでどのような機能であるかを今回走行中に初めて知ることになった。それは走行距離が200KM前後で容量17.5Lのガソリンタンクで残量が4L未満になるとGSマークが点灯し、走行可能距離50KMがデジタルパネルに表示される。その後に走行可能距離数がカウントダウンされていくのである。最終的に残距離が22KMを表示したところで給油することができたが、当然多少は余裕を持たせた設定になっているのであろうが、距離的には余裕があっても数字が少しずつ減っていくとハラハラしてしまうもので、走行可能距離数が明確になるという面ではそれ以上は走行不可能になるということなので効果的な機能であろう。
給油も終えて次の安達太良SAに到着すると時間は6:30過ぎで普段の朝食タイムとなり、空腹感が襲ってきた。24時間営業の店内には麺類、丼物類、カレー等の一般的なメニューばかりで少々朝には重い感じであった。二階の朝食メニューと店外のパン屋さんは7:00から営業という事で開店まで待つことにした。結局周辺で待っていた人も皆パン屋さんに開店とともに流れて入っていった。筆者も久々に焼きたての美味しいパンを3個も食べてしまった。
ここで仙台の泉PAに待ち合わせをしている仙台在住の西村氏に電話連絡して順調に来ているのでそれほど時間を要せず、少々早目に集合場所に到着する旨を伝えて出発したが、未だ自宅に居るそうなのでそれほど期待はできない。この頃には日射しは真夏のものになり、先ほどまでパンを食べていたテーブルでは日向になり、何もしなくても汗ばんで来た。
仙台方面に来る時はいつも立ち寄っている菅生PAは今回パスして9:00過ぎに泉PAに到着すると案の定、西村氏の姿はなかった。事前の待ち合わせは9:30だったので、確かに約束の時間前ではあったが、9:20に到着した。
ようやく今回の参加者が全員揃ったところで、トイレと自販機しかなく、どちらかと言えばスマート(ETC専用出入口)が主役の泉PAを出発して那須高原SAから200KM先にある 宮城県大崎市にある長者原SAに向かい二回目の給油をすることにした。
今回の給油分は高速走行だけで消費分なので一般道を含んでいた一回目の給油時より燃費の向上を期待したが、概ね雑誌等のレポート通りに17KM/Lであった。筆者のS1000RRは一回の給油では約220KM程度でリザーブ機能に移行してから約50KM、合計で推定MAX270KM走行可能であり、CBR900RRと比較しても走行距離に関しては遜色のないことが判明した。
次に約100KM先の岩手県奥州市にある前沢SAまで向かった。この辺まで来ると交通量は 激減するため、どうしても単調になり暑さの中で眠くなりがちなので各自睡魔への対策が必要になる地域だ。近年はMP3で音楽を聴きながら走行するのが定着したが、以前は走りながら一瞬落ちてしまい、事故になりそうになったこともあった。この恐怖のエリアを抜けると前沢SAに到着する。このSAは広くてGSが中央にあり、給油も最初に済ませておくことができるので出発の際に楽である。売店で地元の名物である前沢牛の串焼き等も売っており、筆者はその中でも¥500.-と手頃な値段の牛タン串焼きを食べたが、程良い塩加減と炭火焼の香ばしさでとても美味しかった。機会があれば是非ご賞味頂きたいと思う。
盛岡ICまでは約75KMなのでここから一気に進むことにした。全員盛岡ICで降りたことを確認して丁度時刻もお昼前だったので予め場所を調べておいたICから国道46号線沿いの韓式食彩ヤマトに向かった。今回はご当地名物の盛岡冷麺を食べることを目的としていた。過去には椀子そば、じゃじゃ麺を盛岡で食べたことがあったのでこれで三大麺をすべて制覇したことになるが、関東で食べる冷麺と変わりなかったのは少々残念であった。
人気店の上位はやはり盛岡駅近くの繁華街に多く存在するのでバイク6台が止められる広い駐車場完備となると郊外の大型店舗になってしまうのはやむを得ない。それでも空腹は十分満たされたので小岩井農園でも寄って見ようと提案したが、メンバーには何度も訪れたことがある者が多く、天候も危うくなったために早目に宿に向かうことになった。
国道46号線を西に進み仙北市に入ると秋田新幹線の田沢湖駅がある。その先を国道341号線に右折すると田沢湖はすぐである。まだ時間が早いので湖畔にある“たつこ像“を拝見しようと思ったが、標識はあるがなかなか辿り着かない。筆者も田沢湖の湖畔に来たのは久々なのでどこにあったかの記憶は曖昧であった。以前たつ子茶屋に来た時にここに像があるものと思い込んで、実際は休憩だけして像を見に行かなかったのかもしれない。いずれにしても国道341号線側から田沢湖に入ると外周道路を半周もしなければならない先の対岸にあった。
金色に輝くたつこ像を拝見して心置きなく宿に向かう事にした。翌日のことを考慮して 本日中に給油を済ませてから宿に向かった。県道127号線、194号線を経て本日の宿である乳頭温泉郷“大釜温泉”に16時頃に到着した。
宿に到着すると皆は早速温泉に浸かりに行ったが、先ほど駐車場で場所を変更する際にバランスを崩して左脚で踏ん張ったため、筋を伸ばしたような感覚で立っているのが辛い。 温泉に浸かってマッサージしたが、簡単には良くならなかった。大釜温泉の泉質は酸性含砒素ナトリウム塩化物硫酸塩泉ということで結構過激な泉質で水虫やリウマチ性疾患等が主な効能となっており、筆者の打撲や打ち身に効くのか分からなかった。この宿はHPでも木造校舎を移築した建物であるが、元々ここが学校であったわけではないようだ。
夕食は以前妙の湯さんに泊まった時も山菜料理と川魚中心の質素な感じだったので、ある程度は覚悟していたが、やはりそれほど変わりない物が出てきた。唯一郷土料理的なものとしてここは秋田県仙北市に所在するためか、きりたんぽ汁が出された。一泊目の夜は 脚の痛みとともに過ぎた。
一日目の走行距離 625KM