YEC TOURING REPORT 栃木県馬頭温泉 vol1
日時 : 2013年5月5日(日)、6日(祝)
目的地: 栃木県那珂川町 馬頭温泉 “いさみ館“ 一泊ツーリング
参加者: 杉本、山中(君子)、山中(一範)、齋藤、西村、春日、吉野、安部、塩崎
集合場所: ショップ前 8:30
全走行距離: 560KM
1日目
5月5日(晴天)
連休も後半終盤で下り方面の渋滞はなく、目的地が栃木県で近いため、今回はいつもよりは集合もゆっくりの設定だった。個人的にも緊急貨物による休日出勤案件の発生も無くなり、一泊でのツーリングという事もあり、やけにのんびりした朝だった。
晴天の下、ショップ前から環七鹿浜橋ICより首都高、東北道に入り宇都宮ICから日光道を経て霧降高原を目指して進んだ。 いろは坂の一方通行の流れは対向車もなく上りは良いが、下りはいやらしい九十九折が続くので連休の時期は観光バスに行く手を塞がれてしまうことが多く、敢えて回避した。そうなるとルート的には10月のツーリングの先乗りになってしまうが、昼食時に合わせるとなると安易ではあるが、これまで何度かボツにしてきた大笹牧場でのジンギスカンを選択した。これにより10月の予定はまた変更になる可能性が高くなった。
予想通り東北道も上り下りとも渋滞もなく順調に進み、東北道は羽生PA、日光道は日光口PAで休憩し、日光ICから一般道に下りた。日光道も完全にETC化が進み快適になった。 以前は料金所が幾重もあり、小銭を大きな投入口へまさに投げつけていて面倒くさく、使い勝手の悪い有料道路のイメージであったが、今はその面影もない。
霧降高原道路と称する県道169号線を上って行くと、この周辺は5月に入っても未だ気温も低く、春の眩い陽射しが降り注いでいる割に体感温度が上がらない。まあ霧降高原が真夏でも霧に覆われて涼しい所以だから至極当然である。以前は有料道路であった名残の料金所跡を通り過ぎて長い下りが終わると大笹牧場の入口に到着する。ここは牧場の前を横切る道路との交差点になっていて、一時停止の標識はあるが、手前から左右の見晴しも良いので下ってきた勢いで調子良く走っているといつの間にかこのまま牧場入口に直行しそうになる。
山の中に存在しているが、数か所ある牧場駐車場の出入口から車両で結構交通量もあり 危険ゾーンである。
ここで予定通り正午となり昼食にすることにした。筆者は以前から苦手であるが、ここの看板メニューなので敢えてジンギスカンにチャレンジした。久々に食べてみて、やはりマトンは口に合わないことを改めて実感することになった。またここのソフトクリームは行列もできていて美味そうなのだが食べてみると濃厚と言うべきか、まるで牛乳その物なのでどちらかと言えば苦手な部類に入る。峠で休憩してからここに来るまでに走行中にiPhoneを落としてしまった一範氏が下って来た道を戻って道端にあるか探しに行ったが、どうやら見つからなかったようで、諦めて帰ってきた。固定していたホルダーが甘かったようでカーナビ代りに使用していたらしく、大変残念な結果になりお気の毒である。
午後は少し気合いを入れないと眠気も襲ってくるのでシールドやヘルメットのインダクターを全開にして新緑を渡る爽風を受けながら走る心地良さはこの時期ならではのもの。 県道169号線から県道23号線に右折して川治温泉方面に向かう。ここから僅かだけ国道121号線を経て龍王峡手前で日塩有料道路に左折する。ここは文字通り日光と塩原を結ぶ有料道路(¥400.-)であるが、もうそろそろ無料化になっても良さそうな道路である。筆者が 中学生の頃、友人の父上に車で無線仲間達の中に入れてもらい、鶏頂山にスキーに連れて行ってもらったことを思い出す。既に40年近く前のことである。その頃もここの雪の夜道には難儀して明け方ようやく鶏頂山スキー場まで辿り着いた記憶がある。
別名“もみじライン”の名を持つこの道はやはり錦秋がベストシーズンなのであろうが、意外にその時期には訪れたことがなく、前週に日光は雪が降っていたらしいが、5月に入り山々の萌えるような新緑の若葉は目にも優しく、とても清々しい。ワインディングになると夢中になって景色どころではないのはいつものことだが、人生も既に後半に入って、最近ではなるべく印象に残る景色をこの目に焼き付けておこうと思うようになった。
途中で一度休憩した駐車場近辺までが日光市、そこから先の下りは塩原町になるようだ。 快適に峠を下っていると料金場があり、ここで先頭の筆者が台数分の金額を纏めて支払い一斉に通過する。塩原温泉郷に入ると国道400号線に合流して温泉街へ向かう。現在では温泉街の裏手に新しくバイパスを通したので旧道の細い温泉街を通らなくても分散されて渋滞は解消されたかもしれないが、人出や活気が無くて殺風景で寂しくもあり、やっぱり旧道の方が温泉街の風情があり良かったかもと思ってしまい、便利になればなったでその代償を惜しむという理不尽な思いに本当に人間と云う生き物は勝手なものである。
塩原温泉郷の中心を流れる箒川(ほうきがわ)を堰き止めた塩原ダムを過ぎると那須塩原への牧草地帯になる。その手前にある道の駅“湯の香しおばら”で休憩することにした。暫く待っていても後方の二名、山中オーナーと吉野氏が来ないので逸れたのかと思ったら手前にあった湯の駅に入ってしまったらしい。
この時点で現在は仙台在住で直接宿に向かっていた西村氏からの連絡で、既に宿に到着していることが判明したので、全員揃ったところでここからは宿に直行することにした。 ナビを装着しているメンバーもいるので距離を確認すると宿まであと30KM前後らしいが、宿の立地は以前TV番組で見たことがある程度で明確な場所は地図を見ても理解できないため、途中GSで給油後はナビ装着の春日氏に毎度のごとくお任せすることにした。
途中筆者がGSに入るために本来は左折すべきところを直進してしまったり、予想外の通行止め区分もあり、翻弄され少々遠回りしてしまったが、ほどなく無事に那珂川の河原沿いに佇む一件宿である“いさみ館”に到着した。
排気音を聞いて部屋で寛いでいた西村氏が出迎えに現れた。先に進んでいて行方が分からなくなってしまった杉本氏と一範氏だが、杉本氏のCB1300にはナビが搭載されているので特に心配しなかったが、荷物を解いている間に二人とも無事到着して全員が揃った。
二階の部屋に案内されるとこの宿の建材は古材を配して全体的にレトロな雰囲気に作られている。早速露天風呂に向かうと那珂川の河原の対岸には那須の山々に夕陽が沈みかけている。晴天の下に何とかこの夕陽に間に合って良かった。こことは違う宿ではあるが、この夕陽の風景はまさに以前TV番組で見たもので、それをきっかけに馬頭温泉に興味を持ち筆者が自ら希望して年間計画に入れた場所なので、都会の喧騒を離れてようやく足を踏み入ることができた小さいが、達成感に満ちた至福の瞬間であった。
馬頭温泉の新たな町おこしとなっているのが豊富な温泉を利用して那珂川町里山温泉トラフグ研究会というグループが養殖している温泉トラフグのことで、海洋養殖よりも育成が早く、また味も劣らないという品質をアピールして海の無い栃木県で通年トラフグ料理を提供していることだ。特別料金になり、価格は割増になるが本格的な薄造りや天ぷら、ヒレ酒も料亭などよりは格安で楽しめる。筆者達一行も当然それが目当てであることから夕食を楽しみにしていたが、トラフグ料理がメインにされているため、それまでに全部で11品の創作田舎料理のうち9品は出されており、それらだけでも十分すぎる内容であり、 既に腹一杯の状態で食べることになるのは残念であった。他にも地元馬頭高校水産科とのコラボ企画の小魚による角質セラピイ足湯や地元での豊富な淡水魚の養殖産業の中から、川魚にしては美味と言われているナマズ料理等も事前にオーダーすることができる。
基本的に出される料理はすべて頂く主義の筆者であるが、最後のご飯は流石に遠慮した。
その分地元の焼酎や地酒を味わいながら宿からは十分満足いくもてなしを受けた。
今回は夜間大人しいメンバーとそうでないメンバー、女性組とこれまでほとんどない理想的な部屋割りすることができ、睡眠が確保できたようなので無理言って三部屋用意してくれた宿の女将には感謝である。 走行距離 295KM